梅雨のように雨の多い時期になると、足場工事も小雨や雨の日の翌日に作業をするといった機会が出てきます。
晴天が続いている時期に比べて、そのような時期での現場作業は危険を伴うことも少なくありません。
特に屋根のように転落しやすい場所に足場を設置する場合はなおさら危険性が高いでしょう。
そこで今回は、雨の日に足場工事を行う際のポイントについて解説します。
雨の日は危険が多い
雨の日は足場工事の危険がより高まります。
その理由として次のようなものが挙げられます。
・足元が滑りやすい
・作業効率が落ちる
・視界が狭まる
・雷のリスク
雨の日は滑りやすいため危険であり、カッパなどで動きにくかったり風が吹いていたりして作業効率も落ちます。
さらに見落としがちなのがカッパをつけていたり、雨粒が目に入ったりするとかなり視界が狭まるということです。
視界の狭さを考慮しないと、足場の踏板を踏み外すなど普段しないミスもしてしまうのです。
また、雷が落ちることもあるので、金属の部品が多く、高所で作業する足場工事は危険が伴います。
雨の日に足場工事をするポイント
危険が多い雨の日ですが、それでもやむを得ず作業をしなければならない場合もあります。
そのような雨の日に足場工事をする際のポイントは次の通りです。
・作業がしにくいことを自覚する
・無理なスケジュールで進めない
・風に注意する
・安全対策を徹底する
作業がしにくいことを自覚する
雨の日に足場工事をすると作業がしにくいことも少なくありません。
足元が滑りやすくなり、カッパなどの雨具で視界が狭まっているためです。
さらに雨具が動きを制限するため、普段のような円滑な動きができない点も注意すべきポイントといえます。
無理なスケジュールで進めない
無理なスケジュールを立てないようにすることもポイントです。
晴天時に比べて、雨の日は作業効率が落ちます。
そのため、足場工事も普段と同じ進め方で行うと無理な施工になり、事故が発生する危険性が高まります。
雨の日は小雨であっても、作業を進めるペースを落とすことが重要です。
風に注意する
雨の日は強い風を伴うことも少なくありません。
そのため、風に対する注意もする必要があります。
たとえば、通気性のないシートは風をまともに受けてしまうため、足場があおられてしまいます。
風を受けそうなシートは早めに畳むことが重要です。
安全対策を徹底する
普段から励行している安全対策でも、雨の日は特に徹底しましょう。
二重に確認を行い、歩き方も普段より遅く、思い切って半分程度にします。
安全帯は普段もしているでしょうが、再度装着を確認し、問題箇所がないかこまめにチェックしながら工事を進めることもポイントです。
可能な限り雨の日の足場作業は行わないのがベスト
雨の日の足場作業は、非常に危険です。
たとえ、ベテランの足場とびの職人であっても組む最中に墜落が起こる可能性は十分にあります。
また、同様に雨の日に足場へ乗っての高所作業は危険であり、ベテランの塗装職人も安全に行える保証はありません。
足場工事を行うにあたっては、極力晴れた日のうちに作業をしたり、保護をして雨の日をやり過ごしたりすることが重要です。
また、労働安全衛生法によって、1回の降水量が50mm以上を越える場合は足場の工事ができないことになっており、強行して労働災害が起こった場合は罪に問われます。
法律的な制限もあるので、施工には注意しましょう。
まとめ
足場工事は雨の日に行うことがあまりありません。
しかし、工事の進捗や人手の都合、あるいは小雨の場合など、現場のトップの判断で作業をするケースもあります。
そのため今回は、雨の日の足場工事のポイントについて解説しました。
しかし、雨の日は危険を伴うことが多く、極力足場工事を行わないことが望ましいといえます。
それでもやむを得ない場合は今回紹介した対策を参考に、作業や安全の徹底などの雨対策を行うようにしましょう。