足場組み立ての作業は安全に施工するための知識や事故を防止するための知識が必要です。
今回は足場組み立ての基準について解説し、安全に足場工事を行う方法や部材の扱いについての注意点を解説しましょう。
足場組み立ての基準は安全確保が最大の目的
足場組み立ての基準の目的はどのようなものなのでしょうか。
ここでは、その目的について解説します。
足場組み立ては事故が多いため
足場組み立てはとにかく事故が多い工事です。
実際、足場で起こる事故の大部分は、足場完成後の事故ではなく、組み立てや解体をした際に発生する事故です。
事実、足場組み立てをしている場面では、足場がない状態で組み立て作業をしているので、足場が完成した後よりもはるかに多くの危険性があります。
そういった危険性を減らし、安全に足場組み立てをするために標準となる基準が設けられているのです。
監督者の判断だけでは安全確保できないため基準が存在する
安全確保と言えば監督者、いわゆる現場監督などが安全確保を行っています。
しかし、この現場監督の基準だけで足場組み立ての状態が安全かどうか判断するのは難しいケースも少なくありません。
また、現場監督によって安全基準にムラが生じるリスクもあります。
こういった事態が発生しないためにも、あらかじめ基準を設けておくことが重要なのです。
足場組み立ての安全を確保する基準!労働安全衛生規則
このような足場組み立ての安全基準として労働安全衛生規則があります。
これはあらゆる工事や作業の安全な基準を記しているもので、足場組み立ての基準も定められているのが特徴です。
足場組み立ての基準から注意すべきポイント
足場組立の基準から注意すべきポイントは詳細な数字による基準と工事を施工するための基準が設けられています。
その2点について解説しましょう。
数字による足場組み立ての基準
数字による足場組み立ての基準は労働安全衛生規則563条に記されています。
具体的にまとめると次のようなポイントです。
・足場は40cm以上の幅にしなければならない
・床材の隙間は3cm以下にしなければならない
・床材と建地の隙間は12cm未満にしなければならない
これらの基準をもとにして施工を検討する必要があります。
作業内容に関する足場組み立ての安全基準
労働安全衛生規則564条には作業内容に関する施工時の安全基準も設定されており、次のようなものが挙げられます。
1・作業内容の周知徹底をしなければならない
2・作業区域内への作業員以外の立入を禁止しなければならない
3・悪天候時は作業を中止しなければならない
4・足場材の緊結、取り外し、受け渡し等を行う場合、
(1)原則幅40cm以上の作用床設置する
(2)要求性能墜落制止用器具の使用させる
5・材料、器具、工具等を上げ下げする際、つり綱やつり袋等を使用させる
6・4の(2)を命じられた場合、必ず従わなければならない
作業用床の設置が安全基準として設定されています。
そのため、単管足場など作業床がない足場は基準に沿わないこともあります。
このような状況から、やむを得ず単管足場を組み立てることになった場合は、より厳しい安全の基準を自主的に設けて施工を進めていくことが重要です。
まとめ
足場組み立ては、安全に施工するための基準があります。
今回は、その方法についてどのようなものか解説しました。
単管を扱うことから、連結が外れたり、接触して負傷したりといった危険と隣り合わせの足場組み立てでは安全に施工することが非常に重要です。
足場工事に関わらないという方も、予備知識として知っておくことは、スムーズな足場組み立てをする意味でもポイントといえるでしょう。