足場を覆っている足場メッシュシートは、養生シートと呼ばれる足場の部材です。
しかし、この養生メッシュシートには規格が存在し、関係者でも時折使い方に迷ったり、そもそも違いが分からないといったケースもまれにみられます。
そこで今回は防音や安全確保で活躍する養生メッシュシートの規格について解説していきましょう。
足場メッシュシートの規格は強度によって分類
メッシュシートには、1類と2類の規格があります。
これは、日本工業規格(JIS)の認定基準によって定められ、強度ごとに設定された公的な規格の分類になります。
ここではそれぞれの特徴を解説しましょう。
まず、1類は引張強度68.6KN以上です。
この引張強度は材料を引張ったとき、破断するまでに要した力によって計算される機械的な強度をいいます。
この数値が2類に比べてかなり高く設定されているのが1類です。
工具などの飛来落下にも耐えられるだけの強度で安全を確保できる特徴があります。
さらに4.8kgの足場用鋼管を高さ4mから落としても貫通しないという条件もあるので、危険防止や安全対策に使用できるかなり強度の高いメッシュシートといえるでしょう。
次に2類は引張強度が0.59KN以上のシートです。
1類に比べてかなり強度が弱めで、重量2.7kgの足場用鋼管を高さ3メートルから落として貫通しない数値からも、強度の基準は低めに設定されています。
こちらは金網ネットとの併用を前提としているシートであり、改修工事や戸建ての住宅を建設する際に使用するタイプになります。
その分軽量であったり、扱いやすかったりといった点はメリットです。
このようにメッシュシートは、強度によって分類され、強度の強さによって強度のある1類とそうでない2類に分けられています。
分かりやすく色でも表現されているケースもある
実は、同じ1類のメッシュシートでも充実率や風に耐えられる強さや風力係数といった数値が異なります。
そのため、同じ1類でも充実率や風力係数の違いによってブルーとグレーといった色分けをしているのです。
ちなみに充実率とは、ネットやシートに対する風受けの面積です。
この数値が高いほど、風を通しにくいことを意味しています。
また、風力係数は、風力を受ける度合いを表わす係数を指し、この数値が高いほど受けた風の力が強くなりやすいとされている数値です。
まず、ブルーのタイプは、グレーよりも重量があるタイプでその分充実率も0.900とグレーより高めです。
また、風力係数も1.87であり、少し風の影響を受けやすいとされています。
一方で、グレーは若干ブルーよりも軽量で、充実度は0.700と低めに設定されているのが特徴です。
また、充実度が少ない分風の影響を受けにくく、風力係数は1.56と低めになっています。
風を通しにくいブルーと若干軽量で風を通しやすいグレーの違いがあります。
ただ、メーカーによって異なる場合もあるので、カタログの数値を確認してから選択するのがおすすめです。
仮設工業会認定の足場メッシュシートを利用するのがおすすめ
メッシュシートは基本的に規格に応じて現場で使い分けをします。
このとき、確かな数値の公表や品質の保証となるのが日本のメッシュシートの業界団体である仮設工業会です。
この団体が指定した業者については、基本的に品質の高いメッシュシートなどを提供していることを意味します。
メッシュシートを導入する場合は、仮設工業会認定の製品かどうかを調べておくのがおすすめです。
まとめ
養生などに使用したり、足場板に沿って設置されているのが足場メッシュシートです。
これには強度ごとに設定されている規格などがあり、きちんと基準ごとにカラー分けしている場合もあります。
足場工事をする際は規格をチェックして最適な足場メッシュシートを選択し、より安全でスムーズな工事をするようにしましょう。