一般の方にもイメージがつくのは外壁塗装の足場でしょうか。
どうして足場を組むことになるのかといえば、作業効率を高めるためですが、足場の「高さ」についてはしっかりした基準が定められているのでしょうか?
今回は、足場の「高さ」を中心に、なぜ足場が必要になるのかを分かりやすいように解説したいと思います。
法令について
外壁塗装をはじめ、建物を建設するためには足場を組んで、その上で作業員たちが働いています。
しかし、その高さが問題となる法令についてはあまり知る術がないと思います。
事の際にポイントになるのが今回のテーマに通ずる「足場設置届」です。
高さが10メートル以上で、足場組立から足場解体までの期間が60日以上の場合に労働基準監督署に足場設置届を提出しなければなりません。
これだけではなく、足場の高さの問題に関する法令は実にさまざまです。
例えば、足場組立て、解体の時期については、作業に従事する労働者に周知させなければなりません。
組立や解体の作業を行う区域内には、関係労働者以外の立入りを禁止することも定められています。
他にも、悪天候のために作業の実施に危険があると思えば、作業を中止しなければなりません。
しかし、簡単に言ってしまえば、高さが10メートル以上の構造の足場を組むことと、組立から解体までの期間が60日以上の場合には、労働基準監督署長に足場設置届を出さないと、作業ができないということです。
なぜ足場が必要になるのか
高さが10メートル以上となる場合、足場なしであるならゴンドラでの作業です。
また、ローリングタワーで作業をすることになれば、作業効率も悪くなります。
長期間にわたって高所作業車で作業をすることは現実的ではありません。
ちなみに、足場は「作業員の安全を守る」役割もあります。
高所での作業では、常に墜落の危険と隣り合わせになります。作業員も、細心の注意を払ってはいますが、命綱となる安全器具に不具合が起きたら、工具を過って落としてしまったら、こうした「万が一」に対応できるのも足場になります。
平屋でも足場は必要
これまでは高さ10メートル以上での建物について説明してきましたが、これは「足場設置届」が必要になる基準です。
しかし、一般住宅の場合には2階建てや平屋になります。
この場合でも国が定めた「安全の最低基準」というのがあり、2メートル以上の高所で作業をするときは足場の設置を義務づけています。
なので、平屋であっても作業員の安全を守るために足場は設置する必要があります。
作業効率を高める
足場は、作業員の安全のための措置だけではありません。
作業効率にも大きく影響しています。例えば、外壁塗装でも足場がないと塗布作業はスムーズに行えません。
ゴンドラで移動するにしても、隅々まで塗料を塗るために時間も労力もかかってしまいます。作業効率の向上を図れるのは足場のメリットです。
近隣への配慮
周囲に住宅が隣接している場合には、外壁塗装の塗料の刺激臭などのニオイが発生したり、塗料が庭先や駐車スペース、外壁などに飛び散ったりする可能性も高くなってしまいます。
施工期間中に近隣トラブルになってしまっては、せっかくメンテナンスをしたとしても心穏やかに過ごすこともままならなくなります。
足場に飛散防止シートをかけることにより、塗料の刺激臭が周囲に広がることを抑えることができます。
飛び散りも防ぐことができます。
特に、2階建てや3階建て住宅の場合には、近隣住民とのトラブルをなくし、スムーズに作業を進めるために足場が必要になります。
足場は作業を効率よく進めるためにも重要です。
また、足場の高さの問題に関する法令はさまざまなので、しっかりと労働基準監督署に足場設置届を提出した上で、足場を設置することが義務付けられています。