タワーマンションの外壁工事は足場を使わない?
タワーマンションのような高さのある建物の場合、防水工事や外壁塗装のために
1階部分から最上階部分まで足場を設置することが難しいと言われています。
ですが、足場については30階程度の高さまでなら問題無く設置できますし
それ以上の高さのマンションでも特殊な足場を使用して工事を行うことがほとんどです。
30階を超える高さのタワーマンションの場合、移動昇降式足場という足場を使用します。
この移動昇降式足場とは、周囲を覆った足場を建物に設置したレールを用いて移動させるタイプの足場です。
一般的な固定式の足場と違い、施工箇所に合わせて足場を移動させることができるため
窓からの視界が遮られる期間が短く、マンション全体が養生シートで囲まれないという特徴があります。
また、高層階でも複数の階でまとめて外壁塗装や
防水工事を行うことができるため、工事期間を短縮できるのもメリットです。
その他の工事方法としては、高層階の作業をゴンドラで行い
低層階には通常の足場を設置するという方法も採られることがあります。
この方法を用いた場合、高層階部分の窓が養生シートで塞がれないため
工事期間中も過ごしやすいのですが、どうしてもゴンドラを使用すると
人件費などの追加コストが必要となるため、長期間の工事には向いていません。
タワーマンションで足場を設置する費用はどれぐらいかかる?
タワーマンションの大規模修繕工事で足場を設置する場合、
足場の仮設工事にかかる費用や仮設工事の期間はどれぐらいかかるのでしょうか?
まず、足場の仮設工事の費用ですが、ゴンドラを利用する場合は、
ゴンドラのレンタル費用は一基あたり1日約5,000円が相場です。
低層階に足場を設置する場合は、設置面積に単価を掛けたものが費用となり、
単価は1平方メートル辺り約800円が相場となります。
移動昇降式足場とゴンドラについては、タワーマンションの形状や
足場の大きさなどによって施工価格が変わるため、施工会社に見積もりを取ると良いでしょう。
足場の設置工事にかかる期間は、低層階のみに足場を設置する場合は約1週間、
移動昇降式足場なら約1カ月、ゴンドラの場合は屋上や外壁の形状によって施工期間が変わります。
タワーマンションの施工会社選びの方法とは
大規模修繕工事を行う際には、まず施工会社をどう選ぶかが重要なポイントとなります。
タワーマンションなどの特殊な建物の場合、マンションを建築した会社しか
施工できないと思われがちですが、高層マンションの修繕を得意としている施工会社は
複数存在するため、他社に依頼することは可能です。
ただ、タワーマンションの場合は施工内容や工法、費用の妥当性を判断することが難しく、
また、戸数が多いので居住者の合意を取るのも難しいという問題があります。
そのため、どうしても管理会社に修繕に関する手続き等を任せがちですが、
管理会社に任せると関連企業に施工を依頼することが多く、
費用についても仲介手数料や利益重視の見積もりとなりがちです。
修繕積立金には限りがあるため、管理会社任せの大規模修繕工事を行った場合、
費用が不足したり将来的な積立金が不足してしまうかもしれません。
このような場合、おすすめなのは大規模修繕工事の計画や施工管理、
設計などを行ってくれるコンサルタント会社と契約する方法です。
コンサルタント会社と契約することで、管理会社を通さずに施工会社を選ぶことで
施工費用を安く抑えることができ、管理組合にかかる負担も小さくなります。
また、移動昇降式足場を仮設する場合などについても、仮設中の不便さなど、
居住者ごとに受ける影響が変わるため、この点の理解を深めてもらう点についても住民への説明は欠かせません。
コンサルタント会社に施工業者選びや住民への説明を任せることで、
管理組合の負担を減らしつつ、施工費用を抑えることができるでしょう。
タワーマンションの大規模修繕では、資材を搬送するための仮設エレベーターの設置や
仮設の資材置き場の設置等も必要になるため、管理組合とコンサルタント会社で協力し
居住者の負担をできる限り減らす施策が重要です。